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画像  「ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス」
 ミヒャエル・エンデ + ヴィーラント・フロイント 作  junaida 絵 2022 小学館
 "Rodrigo Raubein und Knirps, sein Knappe" von Michael Ende & Wieland Freund

 人形劇団の旅芸人を両親にもつ、やんちゃ少年クニルプスが、大悪党に憧れる一心で移動中の馬車から脱走し、密か
 に師と仰ぐ盗賊騎士ロドリゴ・ラウバインの住むオソロシ城の門を叩きます。だけどロドリゴはそう簡単に門を開け
 たりしません。なぜかというと…「ああ、それが素直にいえたらおれもこんなに苦労しないんだが!」←ロドリゴの
 心境はきっとこんな感じ。M.エンデが晩年に書き始めた「ロドリゴ・ラウバインと従者クニルプス」の物語は、こ
 れからいよいよどうなっちゃうの、と読者をはらはらさせたところで - 1995年にエンデが他界したため - 約四半世紀
 未完のままだったのですが、ヴィーラント・フロイントがついに続きを語ってくれました!エンデが既に描いていた、
 人形劇団の馬車の中にぶら下がる人形たちをさらなる登場人物として生かし、誤解、行き違い、陰謀が入り乱れるエ
 ンタテイニングなストーリー。恐れとは、悪とは、勇気とは?「暗黒の」中世に飛んでお楽しみいただければ幸いで
 す。本書はなんといってもjunaidaさんによる絵が宝石みたいにふんだんに散りばめられているという贅沢さ!しかも
 装丁は祖父江慎さん&藤井瑶さん(cozfish)。新しいのに懐かしい…ため息が出るほど素敵な本です。表紙の馬車が
 物語の世界へ連れていってくれそう! MOE 2022年8月号も併せてぜひ。(p.10-11!)

画像  「トーマス・マン ショートセレクション:道化者」   Thomas Mann - Erzählungen
 トーマス・マン 作  ヨシタケ・シンスケ 画 2021 理論社

 まさかトーマス・マンの翻訳を手がけさせていただける日が来るとは。それはとてつもなく光栄でありながらおそれ
 多くもあり、百年以上昔の欧州社会へタイムワープする旅でもありました。理論社の「世界ショートセレクション」
 第19巻目に収録された五編:天才少年ピアニストのコンサートに居合わせた人々の心理模様を描いた『神童』、遺産
 だけで「遊んで」暮らす教養高き若者の葛藤ととことん向き合う『道化者』、身を焦がすような青年の初恋が残酷な
 結末を迎える『堕ちる』(マンのデビュー作)、列車事故に遭遇した人々の心理的・秩序的混乱を描いた『鉄道事故』、
 社交界の華である妻の衝撃の事実を夫が暴露する『逸話』。いずれもマンの「初期」にあたるころの作品です。
 それにしても、翻訳にのめり込んでいくにつれ、パソコンのキーボードがだんだん複雑な機織り機に思えてくる、あ
 の感覚はなんだろう?しかもクモの糸のように繊細な糸なので、油断すると思わぬところがほつれてきたり、切れた
 りする危うさ、儚さ。それでいてどの作品にも織り込まれているのが「シニカル」という名の太い糸のような…。心
 のひだやざわつきを緻密な立体感で描く「言葉の魔術師」トーマス・マンの、アップダウンあり、もやもやあり、ユ
 ーモアと皮肉ありの世界にどっぷりと浸っていただければ幸いです。ヨシタケ・シンスケ氏の挿絵とともに!

画像  「僕が神さまと過ごした日々」
 アクセル・ハッケ 文  ミヒャエル・ゾーヴァ 画  (那須田 淳 共訳) 2019 講談社
 "Die Tage, die ich mit Gott verbrachte" von Axel Hacke & Michael Sowa

 散歩の休憩中、ちょうど居合わせた老紳士のおかげで命拾いした物書きの「僕」。でもちょっと哀愁の漂うこの老紳
 士、大昔に「ビッグにバンして」天地創造したってことはもしかして神さまご本人? ただ、全知全能の神さまのイ
 メージからは程遠く、やけに愚痴っぽくて、地球がいまやこんな有様になってしまったことに途方に暮れている様子。
 いっしょに散歩しながら哲学的なことを語るかと思えば、魔術師みたいにミクロやマクロの次元でいくつもの不思議
 な光景を見せてくれたりもする。ときどきいたずらの度が過ぎるときもあるけれど。神さまはいったい、何をいいた
 くてここへ来たのだろう…? 日常と非日常の間を行き来しつつ、生命、時間、幸福などについて考えさせてくれる
 一冊です。久々にハッケとゾーヴァのコンビによる物語、主人公のお供として登場する事務ゾウがカワイイ。

画像  「無人化と労働の未来 ― インダストリー 4.0 の現場を行く」
 コンスタンツェ・クルツ、フランク・リーガー 共著    2018 岩波書店
 "Arbeitsfrei - Eine Entdeckungsreise zu den Maschinen, die uns ersetzen" von Constanze Kurz & Frank Rieger

 こういう理系の専門書っぽい本を訳すことになろうとは自分でも意外な展開なのですが、原書を読んだときの「なる
 ほど、そうだったのか!」と目から鱗的な体験が大きな原動力であり、モチベーションでもありました。いつのまに
 か進んでいく世の中のデジタル化、誰もがその恩恵に与り多くのことが便利になったものの、果たしてどこへ向かう
 のか、倫理的なことも含めて人類がしっかりと見極めて舵取りすべし、と筆者は警鐘を鳴らします。本書は技術の発
 展とともに労働の現場で起こったさまざまな変化も具体的に取り上げているのですが、そのメインにドイツの主食で
 ある「パンづくり」におけるスマート化の歩みを見せてくれるのが個性的。小麦の栽培に始まり、収穫、製粉、梱包、
 倉庫管理、製パン、流通、販売にいたるサプライチェーンの現場描写は実に興味深く、精密な機械と巨大なメカニズ
 ムが巧妙に噛み合って「安定した美味しさ」のパンが供給される仕掛けが見えてきます。この流れの延長にある未来
 の労働現場はいったいどうなるのでしょう? ぜひご一読を! たかがパン、されどパンなのです。
 → 関連動画(ARD番組にて本書紹介、ドイツ語)もご参考までにぜひ!

画像  「世界名作ショートストーリー:ヘルマン・ヘッセ」   "Hermann Hesse - Erzählungen"
 ヘルマン・ヘッセ 作  佐竹美保 画・イラスト  2015 理論社

 理論社の世界名作ショートストーリーシリーズの一冊として、ヘルマン・ヘッセの短編の翻訳を手がけさせていただ
 きました。中学の教科書でもおなじみの「少年の日の思い出」(高橋健二訳)の初稿である「クジャクヤママユ」を
 はじめ、哲学的な「アウグストゥス」、コミカルな「婚約」など、ヘッセ文学の多様性を味わっていただける選りす
 ぐりの五編(「子ども時代より」と「中断された授業時間」)、みなさまの手に取っていただければ幸いです。訳し
 ながら風景が浮かび、音がきこえ、香りまで漂ってくるような感覚を味わえたのは、ヘッセの文章がまるで鋭く尖っ
 た鉛筆で緻密なデッサンの描いているようだからでしょうか。さすが画家でもあったヘッセの筆致。それを言語的に
 忠実になぞるのはなかなか緊張する作業でしたが、あの世界に没頭するにはシューマンの Kinderszenen(子供の情景)
 がBGMとしてなかなかぴったりなのでありました。

 M.ゾーヴァの 
 ↓ 表紙絵秘話へ ↓

 「14歳、ぼくらの疾走  マイクとチック」
 ヴォルフガング・ヘルンドルフ 作  ミヒャエル・ゾーヴァ 表紙絵  2013 小峰書店
 "Tschick" von Wolfgang Herrndorf

 クラスでは地味でたいくつなやつとみなされ、友達と呼べる相手もいない14歳のマイク。せっかく楽しみにしていた憧
 れの彼女の誕生日パーティにも結局招待してもらえなかった上(とびきりのプレゼントまで用意していたのに!)親に
 は二週間もの留守番を言い渡され、最悪につまんない夏休みが始まった。が、そこへふらっとクラスの変わり者の不良
 少年チックが現れ、事態はどんどん予想外の方向へ進んでいきます。なんといっても臆病で慎重なマイクとは違い、常
 識やルールなんてお構いなしのチックはまさに大胆不敵。それでいて意外にも繊細な部分あったりするところにマイク
 は好感をもちます。いつのまにか勢いにのせられて「ラダ(ロシア製の自動車)で出発!」するはめに。そうとうな珍
 道中で数々の危機に直面しながらも、その解放感とスリルに酔いしれ、どこまでも突っ走ろうとする二人。目的地のワ
 ラキア(「辺境地・ド田舎」の代名詞)へ、果たしてたどり着くのでしょうか…? ドイツで絶大な人気を誇った青春
 ロードムービー物語。【2011年 ドイツ児童文学賞、クレメンス・ブレンターノ賞】【2012年 ハンス・ファラダ賞】
 → ファティ・アキン監督による映画「50年後のボクたちは」公式サイト
 → 舞台公演「チック」世田谷パブリックシアター(2019)
 → マライ・メントラインさんによるレビュー(Young Germany Website)

はがねの誓い!
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 「飛ぶ教室」   "Das fliegende Klassenzimmer" von Erich Kästner
 エーリヒ・ケストナー 作  patty 画 (那須田 淳 共訳)  2012 角川つばさ文庫

 ケストナーの古典的名作、ドイツでもロングセラーとして愛され続けているクリスマスストーリー。五人の個性豊かな
 少年たちを中心にギムナジウムでの青春ドラマが描かれています。作家志望のジョニー、喧嘩っ早いマチアス、その親
 友だけど臆病もののウリー、口が達者で大人びたセバスチャン、家は貧しいけど優等生で画才のあるマーティン。どの
 少年にも印象深い事件やエピソードがあるのですが、どれもあの年齢特有の危なっかしさと純粋さや健気さがにじみ出
 ていて、読み手の胸を打ちます。クリスマスなのにお金がなくて家に帰れないマーティン、それを察してなんとかしよ
 うとする正義先生とのやり取りなんか、もう、何度読んでもじーんとくる!私の下訳をベースに、青熊こと那須田淳が
 いまの読者になるべくわかりやすい文にしてます。そしてPattyさんのイラストによる少年たちがめちゃ魅力的(みんな
 イケメン)!ということで、この本を開いたら、彼らの教室へ飛んでいけることまちがいなし! ぜひ手に取ってみて
 ください。 PS:ちなみに私は禁煙さんのファン。最後に「世捨て人」じゃなくなってしまうのがちょっと残念…!
 →「飛ぶ教室」誌 第35号(2013年秋)の【特集】もぜひご一読を。

プフフルル!
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 「ミルクマンという名の馬」
 ヒルケ・ローゼンボーム 作  アンケ・クール 画   2011 岩波書店
 "Ein Pferd namens Milchmann" von Hilke Rosenboom

 ある朝、学校を休んでいたヘルマンの家のポーチに突然大きな動物が「プフフルル!」といって現れます。それはなんと、
 やけに困った様子の「ミルクマン」という名の馬でした。といっても、この名前はヘルマンが勝手につけたものだけど。
 何者かに追われ、怯えているミルクマンを、どうにかかくまってあげようと決心するヘルマン。でも、翌日こっそり学
 校に馬を連れて行くと、そんな状況におかれていたのは自分だけではなかったことを知ります。それに、町中のバラが
 いっせいに見事に咲いたのはいったいなぜ? やがて、事態は町全体を巻き込んだ騒ぎへと発展していくのですが、ヘ
 ルマンは親友のバビール、そして算数の先生のほかに予想外の頼もしい助っ人を得、大奮闘! さてやミルクマンの運
 命はいかに? 果たして、馬たちに、この町の人々に、幸せな未来は訪れるのでしょうか? 

  ↓ 「私の新刊」へ
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 「ミムス ―― 宮廷道化師」    "Mimus" von Lilli Thal
 リリ・タール 作  東 逸子 画   2009 小峰書店

 敵国の王の卑劣な罠に陥れられ、囚われの身となってしまった12歳のフロリーン王子。しかも、牢につながれるかわり
 に敵王の宮廷道化師ミムスの弟子をやらされる羽目になるとは。精神の拷問のごとく、屈辱に耐える日々が始まります。
 が、師匠のミムスを憎み、軽蔑するばかりだったフロリーンも、道化師のプロ意識、またその極意に触れるうちに、こ
 の宮廷道化師がただ者ではないことに気づきます。そんなある日、王子のもとに、極秘の報せが舞い込み…。ミムスと
 いう一筋縄ではいかない、危うい、妖しい存在が光る極上の物語。読みだすと、中世の世界にどっぷりと浸り、主人公
 のフロリーンとともに、ミムスに翻弄されながら、結末までページをめくる手が止まりません。ミムスは悪魔、それと
 も天使?【2004年 ドイツ児童文学賞ノミネート作品】
 → リリ・タール氏 インタビュー記事へ
 →「飛ぶ教室」誌 第37号(2014年春)掲載のエッセイ「翻訳不可能な言葉たち」もぜひ。

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ゾランのコメント
 「走れ! 半ズボン隊」   "Die Kurzhosengang" von Zoran Drvenkar
 ゾラン・ドヴェンカー 作  アンドレアス・シュタインヘーフェル 注 オレ・ケネッケ 画 2008 岩波書店

 幼いころから固いきずなで結ばれている四人の少年、ルドルフォ、イスランド、スニッカーズ、それにセメント。個性た
 っぷりな彼らが、人々から賞賛と畏怖をこめて「半ズボン隊」と呼ばれるようになったのは、真冬の「あの事件」が起こ
 って以来。でも一躍有名になった四人が、個別に語るその「事件」とは、それぞれ全く別々の話だったりします。彼らは
 なぜ、吹雪のなかを半ズボン姿で疾走したのか? ホッケーを観戦していた彼らが、場外へ飛んだパックを取りに出かけ
 たまま、なぜ帰ってこなかったのか? なぜ、家のなかで死んだふりをしてたのか? そして、暴走列車とその乗客の運
 命は…? 危機に遭遇するたびに、彼らの行動力、正義感、そしてアツイ友情が途方もない威力を発揮します。
 【2005年 ドイツ児童文学賞受賞作品】
 ↓ 作者のコメント
ゾランのコメント
 「帰ってきた半ズボン隊 (上)事件編」   "Die Rückkehr der Kurzhosengang" von Zoran Drvenkar
 ゾラン・ドヴェンカー 作  オレ・ケネッケ 画   2009 岩波書店

 テレビのトークゲストとしての出演を終え、自分たちの住む町オッカーヴィルに帰ってきた半ズボン隊。ところがその後、
 セメントが忽然と姿を消してしまうのです。もしや誘拐? しかし、ホリーという女の子に夢中なルドルフォ、自分の過
 去の呪いを払おうとするイスランド、それにクールぶってはいてもセメントが実は心配でたまらないスニッカーズの捜査
 は難航します。なんといっても、セメント誘拐の動機をもった容疑者が次々と現れるのですから! 宿敵パウリギャング
 とすさまじいバトルを繰り広げながらも、強力な助っ人を得、三人は徐々に真相に迫ります。
 ↓ 作者のコメント
ゾランのコメント
 「帰ってきた半ズボン隊 (下)解決編」   "Die Rückkehr der Kurzhosengang" von Zoran Drvenkar
 ゾラン・ドヴェンカー 作  オレ・ケネッケ 画   2009 岩波書店

 実は裏には深い深い訳があった、セメントの失踪事件。ですが、いつもぎりぎりのタイミングでなかなか一件落着とはい
 きません。ルドルフォ、イスランド、スニッカーズの三人がようやく居場所を突き止め、セメントとの再会を喜んだのも
 つかの間、四人は崖っぷちの危険に立たされてしまいます。挙句の果ては、よりによってまたパウリギャングがとんでも
 ない陰謀を企て、オッカーヴィルの町全体が一刻を争う非常事態に陥るのです! 決死の覚悟で奔走する半ズボン隊、果
 たして町を救えるのでしょうか? たった二日間の出来事なのに、複雑なミステリー、雄大なスケール、ハラハラドキド
 キの展開に、最後まで目が離せません! 
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著者のコメント
 「トリ・サムサ・ヘッチャラ」   "Der einzige Vogel, der die Kälte nicht fürchtete" von Zoran Drvenkar
 ゾラン・ドヴェンカー 作  マーティン・バルトシャイト 画   2006 ひくまの出版

 リッキー少年はもううんざり! もうかれこれ一年くらいずっと冬が続いてて、春が来ないのだから! こうなったら冬
 に文句をいいに行ってやろうと、リッキーは家を飛び出しましたが…。冬がどこにいるか知らないで出かけたわりには、
 妙な成りゆきでちゃんと目的地にたどり着くところがすごい。そして、そこで出会う「トリ・サムサ・ヘッチャラ」のキ
 ャラは強烈でかなり怪しい!実はストーリーの鍵を(ついでに○○○○○○の鍵も)握ってるヘッチャラ。果たして、リッキー
 は冬に会えるのでしょうか? そしてヘッチャラの悲願とは? ゾラン・ドヴェンカーのユーモア全開、短い物語なのに
 これだけ楽しませてくれる作品は貴重です。
 【2002年 ドイツ児童文学賞ノミネート作品】

画像  「イェンス・ペーターと透明くん(1)」   "Jens-Peter und der Unsichtbare" von Klaus-Peter Wolf
 クラウス・ペーター・ヴォルフ 作  アメリー・グリーンケ 画   2006 ひくまの出版

 イェンス・ペーターはごくふつうの小学生の男の子。ちょっとはずかしがり屋だけど、両親のいうことをちゃんと素直に
 きく、いい子です。でもある日、透明くんの声がし、その声が悪さばかりそそのかすので毎日がすっかりめちゃくちゃに…!
 家にお客さんが来てようと、学校の授業中だろうと、好きな女の子の前だろうとまるでおかまいなし、いつも最悪のタイ
 ミングで登場する透明くん。しかもその声をふり払おうと、イェンス・ペーターがむきになって怒鳴るほど、まわりの人々
 は唖然とするのです。
画像  「イェンス・ペーターと透明くん(2)絶体絶命の大ピンチ!」
 "Jens-Peter und der Unsichtbare gegen den Rest der Welt" von Klaus-Peter Wolf
 クラウス・ペーター・ ヴォルフ 作  アメリー・グリーンケ 画   2006 ひくまの出版

 ところかまわずちょっかいを出す透明くんにあいかわらず悩まされるイェンス・ペーター。今度はデパートの女性物売り
 場で周りに疑いの目を向けられたり、家では真夜中に泥棒や宇宙人の侵入(?)をめぐる大騒動を引き起こしてしまいま
 す。挙句の果ては、画家であるケアおばさんの展覧会用の絵画作品をめちゃめちゃに…!でも、良かれと思ってやったら
 ひどく叱られたり、悪いことをしたと思ったらほめられたり。透明くんもたまには正しいことをいっているのかも?
画像  「イェンス・ペーターと透明くん(3)タイムマシンに乗る」
 "Jens-Peter und der Unsichtbare in der Zeitmaschine" von Klaus-Peter Wolf
 クラウス・ペーター・ヴォルフ 作  アメリー・グリーンケ 画   2007 ひくまの出版

 学校の授業で「ファラオ時代のエジプト」についてレポートを書くように言われたイェンス・ペーター。が、家に帰って
 歴史の本をにらんでいると、透明くんが思いがけず「タイムマシンで紀元前2225年のエジプトへいこう」というのです。
 物置へと連れて行かれ、半信半疑のイェンス・ペーターは、透明くんとともにあっという間に時空の旅へと出発してしま
 います。そして、実際にファラオやその妻に会い、衝撃の事実を知ることに…。ケオプスの正体は? ピラミッドの建設
 法は? 戻ってきてからイェンス・ペーターが発表したレポートはクラスの喝さいを浴びます。

 ↓ 作者のコメント
版切れ
 「パパにつける薬」   "Der kleine Erziehungsberater" von Axel Hacke & Michael Sowa
 アクセル・ハッケ 文  ミヒャエル・ゾーヴァ 画 (那須田 淳 共訳)   2007 講談社

 一昔前までの父親たちとは違い、権威もマニュアルもないのが現代のパパ。そんなパパの一人として、ハッケが綴る育児
 エッセイには、「すさまじい嵐に巻き込まれ、荒れ狂う波に翻弄され、神経がズタズタになりながら」くりひろげる子供
 たちとの日常が赤裸々に描かれています。迷い、悩む日々のなかにも心揺さぶられる、笑いと涙と感動。「なんだ、うち
 とおなじ!」と共感させられ、安堵感を得られるエピソードもたっぷりの25章、効能の高い処方箋集です。とくに、登場
 する三人の子供たち、アンネ、マックスとマリーの無邪気な仰天発言やぶっ飛んだ行いは、傑作! そのたびにパパが逆
 上するのも無理ありません。
画像 「ミヒャエル・ゾーヴァの世界」
ミヒャエル・ゾーヴァ 画・文 (那須田 淳 共訳・構成)   2005 講談社

日本ではポストカードや本の挿画で知られるようになったベルリンの画家、ミヒャエル・ゾーヴァ。そのゾーヴァがこれ
までの作品や絵画への取り組みについて、飾り気のない日常のエピソードを交えながら自ら語ります。丁寧に、まじめそ
うに描かれた絵画なのにブラック・ユーモアをかもしだすあの独特な作風はどこから来るのでしょう? 多くの作品に登
場する、あのおかしみのある動物たちは? 巻末に収められたアクセル・ハッケによるエッセイには、「上塗り画家」と
もよばれるゾーヴァの作品へのこだわりぶりが面白おかしく描かれていますが、じつは最高の賛辞なのかも…? ゾーヴ
ァの未発表作品も含めた代表作45点掲載。(大型本 26,5 x 21,7cm)
   →「ほぼ日」の2006年ゾーヴァ対談へ
画像 「ミヒャエル・ゾーヴァの仕事」
ミヒャエル・ゾーヴァ 画・文 (那須田 淳 共訳・構成)   2009 講談社

ミヒャエル・ゾーヴァが「描く」という仕事について自ら語る第二弾。日本でも大規模な展覧会が開催され、本の挿画だ
けでなく、舞台美術や映画協力へとますます活躍の場を広げるミヒャエル・ゾーヴァは、どんな道をたどり、なにを思い、
展開していくのでしょう? 本来ならあまりのぞくことのできない制作の舞台裏 ― 気に入らないといつまでも作品を
を上塗りしてしまうなど ー の格闘ぶりも、具体的な例とその軌跡を実際に見ることができちゃいます。この苦悩と試
行錯誤から、すばらしい作品が生まれるのだと納得!(大型本 26,5 x 21,7cm)
 →「ほぼ日」の2009年ゾーヴァ展特集へ

画像

 「エスターハージー王子の冒険」   "Esterhazy" von Hans Magnus Enzensberger und Irene Dische
 イレーネ・ディーシェ + ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー 文 
 ミヒャエル・ゾーヴァ 画  (那須田 淳 共訳)   1999 評論社

 一族に生まれる子孫の体格がだんだん小さくなってきていることを憂えたウサギのエスターハージー伯爵は、孫たちに
 「大きなお嫁さんを見つける旅に出なさい」と命じます。かくしてベルリンへと赴いたエスターハージー王子。せっか
 くかわいい「ミミちゃん」と出会ったのに、すぐにはぐれてしまうなんて! 王子はたったひとり、都会で奮闘します
 が、果たしてミミと再会できるでしょうか? ベルリン特有の事情に翻弄されるウサギたちの運命を描く異色の物語。
 ゾーヴァの筆によるエスターハージーの姿がなんとも魅力的!
 ↓ 作者のコメント
著者のコメント
 「キリンと暮らす クジラと眠る」   "Hackes Tierleben" von Axel Hacke & Michael Sowa
 アクセル・ハッケ 文  ミヒャエル・ゾーヴァ 画  (那須田 淳 共訳)   1998 講談社

 ハッケによる、地球上に存在するすべての動物たち(人間は除いて)への賛歌ともいえる、一風変わった博物誌。26章
 からなる本書では、クマ、ヒツジ、ウサギに始まり、ゴキブリ、ミミズ、コガネムシに至るまで、その特徴や存在意義、
 人間との関係などについて、ハッケならではの観点で分析しています。ときにはまじめに学者の言葉を引用し、ときに
 はハッケ自身の大いなる想像力を取り入れながら。もしかしたら、様々な動物に対してわきおこる、数々の素朴な疑問
 の答えが見えてくるのでは…? ゾーヴァの挿絵が、ハッケの文章にまた深い味わいを与えてくれています。
 ↓ 作者のコメント
著者のコメント
 「ちいさな ちいさな王様」   "Der kleine König Dezember" von Axel Hacke & Michael Sowa
 アクセル・ハッケ 文  ミヒャエル・ゾーヴァ 画  (那須田 淳 共訳)   1996 講談社

 一人暮らしのサラリーマンである僕のところに、ある日ふらりと現れた人差し指サイズの小さな王様。話によれば、王様
 のところでは生まれたときはなんでもできる大人で、年とともにどんどん小さく、子供になっていくらしいのです。ちょ
 っと気まぐれで癇癪をおこしたりする王様に命じられ、「僕」はある休みの日に仕方なく彼を胸のポケットに入れて出か
 けます。すると、ふだんとは全然違った光景が目に入ってきて…。王様がさも当たり前であるかのように語る言葉に、た
 びたびどきっとさせられる奥の深い、含蓄に富んだお話。ハッケとゾーヴァの黄金コンビが誕生した記念すべき一作目で
 もあります。
  → 関連エッセイへ

版切れ  「ケストナ ― ナチスに抵抗し続けた作家」
 "Die Zeit ist kaputt: Die Lebensgeschichte des Erich Kästner" von Klaus Kordon
 クラウス・コードン 作 (那須田 淳 共訳)   1999 偕成社

 「エミールと探偵たち」などの数々の優れた児童書を生み出しただけでなく、演劇・美術評論家、ジャーナリスト、詩人、
 小説家として多才ぶりを発揮していたエーリヒ・ケストナー。成功を手に入れ、前途洋々の彼がやがてナチスに弾圧され、
 活動を禁止されるとはどれほどの打撃だったでしょうか。ドイツの児童文学を代表する作家であるクラウス・コードンが
 ケストナーの幼少時代からその足取りを克明に追い、その時代ごとに残された資料や作品、そして個人的な手紙などを引
 用しながら、等身大のケストナーの素顔に迫ります。

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