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表紙絵の裏話

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【80%が100%になる過程】

「14歳、ぼくらの疾走」(原題:"tschick")の表紙絵の依頼を快く引き受けてくれたミヒャエル・ゾーヴァ氏。
承諾から数か月たったある日のこと、べつな用事で電話すると、「表紙絵、もう80%くらい出来上がったよ」との、なんとも予想外
な嬉しい知らせ。というのも、それまでは「まだ本をぜんぶ読み終わってないんだよね。」というばかりだったので…。期待に胸を
躍らせながらアトリエへいくと…ジャ、ジャ、ジャ、ジャーン!
これで80%だなんて!
© Michael Sowa
おお! 青々とした麦畑のなかを走る水色のラダ。なんてきれい…! これにはもう、息をのんでしまいました。まさに遠くの村を見下ろ
しながら、すごい豪雨に見舞われる直前のシーン(21章)。「これで80%? もう完璧だと思うけど! このままでいい、すごくいい!」
M「うーん、でもなんかまだ物足りないんだよね」「せめて写真に撮っておかなきゃ!」カシャカシャカシャ。(←やっといてよかった!)
そしてそのまた数週間後。「できたよ!」の連絡にホイホイいってみると…。
みなさんもご存じの、100%バージョン
© Michael Sowa
あっ。麦畑が黄金色になってる! 季節が変わったような。遠くに見えてた村は、あれから何十年かたって土地開発が進んだような?
牧場に牛! ラダから手が出てる! 暴風にしなる木々! とにかく全体的にもっと丁寧に描きこまれた感じ。前回見たとき、もう、
あれ以上の完璧なんてない、と思っていたのに…。さすがミヒャエル、みごとにやってくれました。「ミヒャエルって、やっぱり天才
だったんだ!」と、絵に目が釘付けになったままいうと、「ムフフフ…」とすごくおかしそうに笑われてしまった。麦畑の色があそこ
まで変わったのは、「この色の方が、水色のラダとのコントラストが映えるから」だそうです。それにしても、ミヒャエルの手にかか
ると、なんでこんなにもなにもかもが不思議にぬくもりがあって(ラダまでカワイイ!)でも妙にシュールで魅力的なんだろう?感動
しながらまだ「80%の出来」だったころの(上の)画像と見比べていると、「あ、それこの前のときの?こうやって改めてみると、そ
れもわるくなかったね。そっちの方がよかったかなあ…」なんて悩みだすゾーヴァ氏。い、いけない。阻止せねば!ミヒャエルの場合
また更に「120%」とかって上塗りしかねないからです。そしてエンドレスに上塗りが始まり、ああでもない、こうでもないといつまで
も完成しないのです。「確かに前のもよかったけど、こっちのほうがゼッタイに最高! これでいいっ、オッケーだから!」
というわけで、必死になだめて「完成」していただいた次第です。めでたし、めでたし。
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Special Thanks to Michael
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