「治療中の犬」 

 フランスの映画監督ジャン・ピエール・ジュネからミヒャエル・ゾーヴァが映画「アメリ」の 制作協力の依頼を受けたとき、主人公の寝室に飾る絵として、はじめはヤギの絵を描いてほしいと いわれたそうだ。が、しばらくしてゾーヴァが逆に提案したのは、「治療中の犬」。監督は喜んで その絵を採用したという。
 アメリは、子どものころから引っ込み思案で、大人になっても空想の世界から一歩現実に 踏み込む勇気のない女の子。彼女が眠ると、その恋の行方をめぐって、部屋に飾ってある絵や写真が 心配していろいろおしゃべりをする。「治療中の犬」もコンピュータグラフィックによって表情が 変化する仕掛けになっていた。日本でも大ヒットした「アメリ」のファンにとって、今度の展覧会は この犬の絵と再会できるうれしいチャンスだ。アメリの寝室が再現でされた一角で、 しばしアメリの気分に浸ってみるのはいかが?     【 本文掲載:2005年6月16日付 読売新聞 京都版 】

© Michael Sowa
Herzlichen Dank an Michael
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