この本に関するゾラン・ドヴェンカーのコメント
「一目ぼれだった。ぼくはマーティン*の絵を知り、それからマーティン自身とも知り合い、すぐに
彼といっしょに本を出したい、と思った。なのに、奇妙なことに出版社はそれをあまり歓迎してくれず、
べつなイラストレーターを提案してきた。でもそういうとき、ぼくはけっこう頑固になれる。
さっさとこのトリの話を書きあげてしまうと、出版社にもっていって、これはぼくがマーティンと
いっしょに考えたんだ、といった。出版社はそれを既成事実として受け止め、めでたくリッキー少年と
トリ・サムサ・ヘッチャラの物語が誕生したというわけ。
ツァルミンスキーという、世界で一番寒い街にたどり着くリッキー。そこにはもうだれも
住んでいないけど、『四季ホテル』というのが建っているはずだった。でもホテルはいつまでたっても
見つからない。そのかわりに、やたらに変なやつがうろちょろしていたりする。1メートルくらいの大きさの
そいつは、『ザ・オンリー・トリ・サムサ・ヘッチャラ』であると名乗るのだ。」
訳注:
* この本に挿画をつけたマーティン・バルトシャイト氏。
ホームページからの翻訳掲載を快諾してくれたゾランに感謝。
ちなみに、この作品と出会って以来、私の頭には「ゾラン・ドヴェンカー」という名前が深く刻み込まれたのでした。 S.K. → ゾラン・ドヴェンカーのホームページをちょこっとみる